秋がだんだんと深まり気温が低くなってくると、観葉植物の成長が遅くなったり葉っぱの色が黄色くなったりと変化が起きます。ずっと青々として元気だった植物たちなら「枯れてきたのかな?」「冬になったら枯れてしまうのかな?」と不安になるかもしれません。
しかし基本的に、寒い季節が苦手な観葉植物たちは、これから紹介するポイントさえ押さえれば無事に冬を越すことができます。さらに、冬の寒さに特に強い観葉植物を12種類紹介します。この種類なら寒い季節に観葉植物を買っても安心ですので、冬に購入する際の参考にしてみてください。
Contents
冬越しのポイント5つ
冬は気温が低いため、植物は成長を止め始めます。すると、あげるべき水の量や光の量が変化し、それに対応して行かないと最悪植物は枯れていきます。そうならない為に、冬越しのポイント5つを紹介していきますので是非とも参考にしてください。
1 まずは気温の安定した室内へ移動
最低気温が10℃を下回ってきたら、リビングなどの1日の気温が安定した部屋で管理しましょう。春から秋まで、観葉植物を外のベランダや軒下で育ててあげると室内よりも元気に育つ種類が多く、実践されている方も多いでしょう。しかし、秋が深まり最低気温が10℃くらいになってくると、植物たちは成長をやめ始め休眠に入ろうとします。
秋は日中の気温が過ごしやすく油断しがちですが、夜中や朝方の最低気温が10℃未満だと、寒暖差についていけずに急に葉っぱを落としたりと植物にダメージを与えてしまいます。週間天気予報を確認しながら、事前に室内の植物のスペースを空けておくと安心です。
また寒くなれば暖房をつけますが、ストーブの側や、エアコンの風が直接当たる場所には置かないでください。植物自身が過度に乾燥したり、土の温度が急激に上がり根っこにダメージを与えてしまいます。明るいカーテン越しの窓辺がベストポジションです。
2 水やりは土の表面が乾燥して3~4日してから
冬の植物の水やりは、土の表面が乾燥してさらに3~4日経過してからにしましょう。サイトによっては、土の表面が乾燥してから2~3日経過してからとも記載されています。実際は、育てている部屋の環境によっても違います。
部屋の温度が、冬場でも20℃程度を保てるのであれば、成長期くらいの水やりをしても大丈夫です。しかし多くの家庭では、暖房を切るタイミングもあり、寒さで植物が休眠状態に入り水をあまり必要としなくなることから、乾燥気味に育ててくださいという説明をさまざまなところでされています。
水をやるタイミングとなる一つの目安としては、植木鉢を持ち上げて水やり後の重さよりもかなり軽くなっている頃です。そして一番確実なのが、水やりチェッカーを使って目視で土の中の水分量を確認する方法です。
3 葉水で保湿
冬場は空気が乾燥しているだけでなく、暖房によりますます空気の乾燥を促進させる環境となっています。そのため、霧吹きで葉っぱの表と裏を潤してあげることで、葉っぱから直接水分を吸収させます。
また、霧吹きにより植物周辺の空中湿度も上昇するため、冬場でもみずみずしく育てることができます。気温の低い季節は、葉っぱの表面が凍ることを避けるため朝夕の葉水を避け、日中の暖かい時間帯にしましょう。
4 日光に当てる
冬場は日照時間が短く、光合成の時間が短くなります。ですから、1日を通じてなるべく日当たりの良い場所で管理しましょう。とはいえ、直射日光に当ててしまうと葉焼けをして葉っぱが茶色く変色し、植物の美しさを損なってしまいます。
そこで、レースのような薄いカーテン越しの光を当ててあげるのが理想です。そして、冬場に天気が崩れてしまったらどうしても日光不足に陥り、元気がなくなっていきます。そんな時は、植物育成ライトで光を補ってあげることもできます。
5 サーキュレーターで空気の循環
外が寒すぎて窓を開けたくない時、窓を開けても風がなかなか抜けない時は、サーキュレーターを使いましょう。サーキュレーターの風は植物の成長を促進させ、根腐れを予防し、カビの発生を抑制することから、植物を育てるにあたって非常に重要なアイテムです。
また暖房をつけている部屋だと、エアコンに向かいサーキュレーターの風を送ることで、部屋の天井付近に溜まった暖かい空気が循環させ、部屋全体に暖かい空気が行き渡ります。しかしサーキュレーターの風を直接植物に当ててしまうと、植物の成長を妨げるため、あくまでも部屋の空気を動かすというイメージで風を送ってください。
冬に強い観葉植物12選
このトピックでは冬を越せる最低気温、冬の置き場所、冬の水やり、植物の育成ポイントを紹介します。寒い地域でも冬を越せる性質を耐寒性と呼びます。このトピックでは、その耐寒性が高く冬でも育てやすい植物を12種類紹介します。
中にはユッカ・エレファンティペスのように-5℃の寒さまで耐えられる観葉植物もいます。寒さの強さを基準に観葉植物を選ぶ事は、管理に手間がかからないということで忙しい方にあった方法ではないでしょうか?
トックリラン
最低気温 | 3℃ |
置き場所 | 日光によく当たる場所(直射日光でも大丈夫) |
水やり | 土の表面が十分に乾いてから3~4日経過してから |
育成ポイント
トックリランの太った幹のてっぺんからカールした細長い葉っぱが勢いよく伸びている独特なフォルムは、グリーンインテリアとして非常に人気です。霜にあたらなければ外でも真冬に耐えることができるくらい丈夫です。
また耐寒温度ギリギリで育てるなら、断水しても大丈夫です。そうすることで寒い環境でも冬を越してくれます。日光が大好きな植物のため、日当たりさえ確保すれば、年間を通じて乾燥気味に育てるため手間のかからない植物です。
シェフレラ・ホンコン
最低気温 | 0℃ |
置き場所 | カーテン越しの窓辺 |
水やり | 土の表面が乾いて3~4日経過してから |
育成ポイント
カポックは、100円ショップでも販売されており、非常に手に入れやすい植物です。また寒さや乾燥に強く、ほとんど植物を育てたことがない方でも育てやすく、気軽に育てられるため人気です。
しかし100円ショップなどで販売されているシェフレラは、まだ十分な大きさでないため、寒い夜は気温が極端に低い窓辺から離してあげると安心です。まずはお求めやすく、枯らすのが難しいと言われるほど強いシェフレラから育ててみてはいかがでしょうか。
ストレリチア
最低気温 | 5℃ |
置き場所 | 直射日光の当たらない明るい場所 |
水やり | 土の表面が乾いて3~4日経過してから |
育成ポイント
ストレリチアは5~10月に極楽鳥のような美しい花を咲かせます。耐陰性もありますが、美しい花を楽しみたいのであれば、部屋の中でも日当たりの良い場所で管理することをおすすめします。そうすることで、花つきが良くなります。
またストレリチアは、大きく成長した株ほど花つきが良くなるため、生育期にしっかりと肥料を与えて成長を促してあげましょう。
ザミオクルカス
最低気温 | 5℃ |
置き場所 | 直射日光の当たらない明るい場所 |
水やり | 土の表面が乾いて3~4日経過してから |
ザミオクルカスは、地面からいきなり立ち上がり艶やかな10枚ほどの葉っぱを持つことから、強い生命力を感じさせます。また、ザミオクルカスのシンプルなシルエットは、場所を選ばないグリーンインテリアとして人気が高まっています。
年間を通じて乾燥した土を好みますので、乾燥気味に育てましょう。しかし乾燥させるとはダニが繁殖するリスクが高まるため、虫予防のための葉水は行ってください。
イングリッシュアイビー
最低気温 | 0℃ |
置き場所 | 窓のある部屋ならどこでも |
水やり | 土の表面が乾いて3~4日経過してから |
育成ポイント
アイビーは、乾燥や寒さに強く繁殖力も旺盛のため、手軽にグリーンを部屋に増やしたい方におすすめです。ハイドロカルチャーで育てると、成長スピードを抑えられるので、剪定がめんどくさい方におすすめです。
また、ハイドロカルチャーは土を使わないため、コバエなどの厄介な虫が発生しにくいという大きなメリットもあります。また、アイビーは、へデラという名前でホームセンターや100円ショップでも手軽に購入できるため、手軽に生きた植物を部屋に飾りたい方にもおすすめです。アイビーから植物を育ててみるのはいかがでしょうか?
シュガーバイン
最低気温 | 0℃ |
置き場所 | カーテン越しの窓辺 |
水やり | 土の表面が乾いて2~3日経過してから |
育成ポイント
繊細な葉っぱと茎が特徴のシュガーバインは、見た目に反して寒さに強い観葉植物です。しかし、直射日光に当ててしまうとすぐに弱ってしまうので注意しましょう。
またシュガーバインは、多湿を嫌います。ですから空気の循環に気をつけ、水やりが済んで受け皿に水が溜まればすぐに捨ててください。そして、繊細な葉っぱを冬でもキープするには、葉水を行いましょう。
オリズルラン
最低気温 | 0℃ |
置き場所 | カーテン越しの窓辺 |
水やり | 土の表面が乾いて2~3日経過してから |
育成ポイント
子株がどんどん増えて生育旺盛なオリズルランは、観葉植物の中でも育てやすく低価格のため非常に人気です。切り離した子株は、水につけておくだけで根が出てきて簡単に増やすこともでき、お得感もあります。
屋内の窓のある部屋ならば、どの場所においても管理はできますが、ひょろひょろと太陽の方向に向かって間伸びして見た目が悪くなってしまうので、週に数回は、カーテン越しの柔らかい明るい光に当ててください。そうすると元気に冬を越してくれます。
クワズイモ
最低気温 | 5℃ |
置き場所 | 直射日光の当たらない窓辺 |
水やり | 土の表面が乾いて3~4日経過してから |
育成ポイント
クワズイモは名前の芋のような茎から、大きな葉っぱが伸びてとてもかわいい見た目から大きなサイズから小さなサイズまで人気の高い植物です。芋の部分は猛毒が含まれているので、ペットを飼われている方は要注意です。
しかし非常に生命力があり年間を通して育てやすいため、とてもおすすめです。冬場の生育環境において理想を言えば、日中はレースカーテン越しの柔らかい光の当たる所に置き、夜の冷え込む時間帯に部屋の中心に持ってくると、上手に冬を越せます。また、水を控え始めるタイミングは、最低気温が15℃を下回ってきてからにしましょう。
ウスネオイデス
最低気温 | 0℃ |
置き場所 | 明るい風通しの良い場所 |
水やり | 2~3日に1回夜に、株全体が水で滴る程度 |
育成ポイント
ウスネオイデスは、最近園芸店でよく見かけるエアプランツで育てやすく、美しい銀色の葉っぱがおしゃれなため人気が高いです。原産地ではそのまま放置しても育ちます。
しかし日本の冬場は寒く乾燥しするため、空気清浄機や加湿器、サーキュレーターをうまく使いながら部屋の空気を動かしてください。40~50%ほどの湿度の環境なら安心です。寒さに強いため、日中の暖かい時間のみベランダなどに吊るして自然の空気にさらしてあげると元気に冬を越します。
適度な湿度と、サーキュレーターなどの風があれば室内のみの管理でも大丈夫です。上記の水やりの後は必ず暖かい風の動きのある部屋で乾燥させてください。そうしないとどんどん株がが冷えてしまい痛みます。その際、ウスネオイデスの下がかなり濡れますので、受け皿や、乾燥気味な他の植物の鉢を持ってきてその土に水滴を落としてあげるのも良い方法です。
クッカバラ
最低気温 | 5℃ |
置き場所 | 日光によく当たる場所(直射日光でも大丈夫) |
水やり | 土の表面が乾いて3~4日経過してから |
育成ポイント
クッカバラのギザギザした葉っぱと特徴的な茎の模様は、南国の雰囲気を漂わせ部屋の雰囲気をエキゾチックに変えてくれます。耐陰性があるため半日陰でも育ちますが、特に冬場は日照時間が短いため、日光が強く当たる方が生育がいいです。
また空中の湿度を好む植物なので、毎日の葉水で健やかに育てることができます。空中湿度は好みますが、冬場の活動は非常に穏やかなため、水やりは上に書いた頻度で行ってください。
フィカス・アルテシマ
最低気温 | 5℃ |
置き場所 | 窓から離れた場所 |
水やり | 土の表面が乾いて3~4日経過してから |
育成ポイント
フィカスの中でも大きく育つアルテシマの葉っぱは、ライムグリーンに黄色い斑が入り爽やかな印象を与えます。またいろいろな樹形に整えられたものも多く、自分好みのアルテシマを選ぶ楽しみもあり、初心者の方にも育てやすくおすすめです。
耐陰性が高い植物のため、気温が急激に下がる窓辺から離れた場所でも冬を越してくれます。と言ってもあまりにも暗い場所だと弱ってしまうので、窓のある部屋に置いてください。
余裕があれば、暖かい日中だけでも直射日光の当たらない明るいベランダや窓辺に置いてあげるだけでもアルテシマの美しい葉っぱを維持できます。
ユッカ・エレファンティペス
最低気温 | -5℃ |
置き場所 | 直射日光の当たらない部屋の中で一番明るい場所 |
水やり | 土の表面が乾いて4~5日経過してから |
育成ポイント
ユッカの原産地は、寒暖差の激しい砂漠気候の地域です。そのため暑さや寒さ、乾燥にまで強く、年間を通じて非常に育てやすい観葉植物です。そのため、忙しい方にも非常に育てやすく、短期間の旅行や出張でも安心です。
そのためオフィスや一般家庭、商業施設など、多くの場所でグリーンインテリアとして見かけます。こんな頼もしいユッカの耐寒最低気温は-5℃と驚異的ですが、5℃以上をキープしてあげると安心して冬を越せます。
終わりに
冬越しのポイント5つを守ると、春になればまた元気に成長してくれます。また室内が20℃以上でない限り冬の水やりは、夏場に比べると極端に減りますので、葉水さえすれば手入れは簡単です。
そして冬に強い観葉植物12選で紹介した植物たちは、年間を通して丈夫で手間がかかりません。忙しくて頻繁に面倒を見られないけど部屋にグリーンが欲しい方は、ぜひ参考にしてください。一気に部屋の雰囲気がフレッシュになるでしょう。