ここ数年夏頃になるとスイカペペは、フラワーショップだけでなくホームセンターでも見かけるようになりました。さらにはフリマサイトでも多く出品されていて人気の観葉植物であることが伺えます。
この記事では、ペペロミア・アルギレイア(以下スイカペペ)の育て方や注意点を解説していきます。ちなみに私もスイカペペを含め、ペペロミア6種類を育てています。とても育てやすくおすすめです。
Contents
■スイカぺぺの特徴
スイカペペは、多肉質の印象的なスイカのような模様を持ち、茎は赤色というコントラストがかわいく人気が高まっています。またスイカペペは、観葉植物の中でも育てやすい部類に入ります。
そのため、初めて観葉植物を購入する方にもおすすめです。夏場は外の明るい日陰でも育ちますが、ちょっとした木漏れ日でもすぐに葉焼けを起こし、せっかくの模様が台無しになりますので、基本は室内で管理しましょう。
■スイカぺぺの育て方
以下表にまとめてから、さらにその下で詳しく説明していきます
日当たり | (室内)レースカーテン越し (屋外)明るい日陰 |
温度 | 10℃以上 |
耐寒性 | 弱い 8℃以上キープ |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 強い |
水やり | 春~秋 土の表面が白っぽく乾いたら 冬 葉っぱを触ってペラペラで柔らかくなったら |
肥料 | 基本的に必要なし |
剪定 | 5月~10月 |
増やし方 | 葉挿し 水挿し 茎挿し |
□日当たり・置き場所
日当たりは、直射日光の当たらない明るい室内が最も適しています。スイカペペは葉焼けしやすい観葉植物ですので、窓辺など直射日光がさす場所ならば、レースカーテンで遮光してください。
1日の平均気温が12℃を超えてきたら外でも育てられます。その時は直射日光の当たらない明るい日陰、難しければすだれなどで遮光してください。
耐陰性があるので、明るくない空間でも育てられますが、茎が細く間延びして見た目も悪い上に元気がなくなります。1年を通して直射日光を避けた明るい環境で育てましょう。
□育成温度
外で育てている場合、最低気温が12℃くらいになってきたら室内で管理しましょう。風にさらされ、植物の体感温度が下がり枯れる原因になります。室内で管理している場合は、なるべく10℃以上の環境で育ててください。理想は15℃以上です。
夏場や冬場に冷暖房やサーキュレーターを使いますが、その風を直接当てないようにしてください。乾燥にさらされるため、スイカペペ自体が傷んでしまいます。
□耐寒性
室内でスイカペペの水やりを控えめに育てたなら、最低気温8℃程度までなら寒さに耐えてくれます。しかしスイカペペにとっては非常に過酷な環境です。なので、12℃以上の気温を保つようにしてください。
□水やりの頻度
春夏は、土の表面が白っぽく乾いてきたら鉢の底から流れるくらいたっぷりと水やりしましょう。秋は、気温がだんだんと下がり始めます。それに合わせて水やりの間隔を開け、冬に備えてください。
冬に入ると、水を吸い上げるのを休み始めます。そのため冬の水やりは、土の表面が白っぽく乾いてからさらに4~5日経過してからにしましょう。
それが分かりづらければ、鉢を持ち上げたりして軽くなっている、また葉っぱを触ってペラペラになっていれば水をあげてもいい頃です。
どの季節でも共通ですが、受け皿を敷いている場合は、受け皿に溜まった水を必ず捨ててください。根腐れの原因となり枯れてしまいます。
⚫︎葉水
スイカペペだけでなく植物は、葉っぱからも水を吸収します。そのため空気が乾燥する季節は特に、霧吹きで葉水をしてあげてください。スイカペペ自体が元気に育つだけでなく、害虫の予防にもなります。
□肥料について
スイカペペは基本的に、肥料を与えなくても育つため手間要らずです。とは言ってもやはり与えた方が元気に育ちます。なのでもし与えるなら、5月~10月に肥料を与えましょう。
固形肥料であれば2ヶ月に1回与え、液体肥料であれば2週間に1回水の代わりに与えてください。肥料を与える際は、量や濃度、時期を必ず守るようにしてください。根っこが痛む原因となります。
□剪定時期・方法
剪定時期は、生育期の5月~10月です。この時期は、葉っぱが生い茂り蒸れやすくなるので、 古い葉っぱや黄色い葉っぱを優先的に根本から切ってください。
また綺麗な葉っぱを剪定した際は、そのまま水挿しにすることで、根っこが生え、土に植え替え増やすこともできますので、試してみてください。
□おすすめの増やし方(水挿し)
スイカペペの増やし方は、葉挿し、茎挿し、水挿しがあります。中でも簡単で手軽なのが水挿しです。剪定で出た茎付きの葉っぱを水道水の入ったガラス容器に挿しておくだけです。あとは根っこが出るのを待ち、十分に根っこが出たら、5月〜8月に植木鉢に植えましょう。
⚫︎注意
水は最低でも3日に1回は入れ替えてください。この作業を怠ると、切り口からどんどん腐っていき、最終的に枯れてしまいます。
ガラス容器で根っこがでてから土に植え替える時期は、育てる環境が暖かければ冬でも可能です。しかし暖かい季節の方が成功率は格段に上がりますので、冬に十分に発根しても5月ごろまで待つ方が無難です。
□植え替え方法
植え替えに適した季節は、5月~8月です。この時、大きすぎる植木鉢に植えるのは避けましょう。水はけが悪く、根腐れのリスクが高まります。
用土は、水はけの良い土を選びます。ホームセンターやネットで販売されている観葉植物用の土で問題ありません。
■冬越しさせるポイント3つ
スイカペペだけでなく、室内で育てる観葉植物全般に当てはまる、基本的な冬越し対策を以下でご紹介します。
□水やりは控えめに
冬のスイカペペたち観葉植物は休眠に入り、水分を吸収しにくくなります。その為、春から秋の生育期と同じ頻度で水やりをしてしまうと、たとえ土表面は乾いていたとしても、鉢の中は常に湿った状態となり根腐れの危険性が増します。
それだけでなく、土の水分が夜間に冷え切って根っこに大きなストレスをかけてしまいます。それを避けるためにも水やりのタイミングは、鉢を持ち上げたり傾けて軽くなっている、葉っぱがぺらぺらになるくらいまで待ちましょう。
□10℃以上の室内で管理
スイカペペの原産地は熱帯・亜熱帯のため、日本の冬には基本的に弱いです。そのため、8℃~10℃が耐えられるギリギリの最低気温ですので、暖かい環境で育ててください。
□夜間の窓辺には置かない
冬は日照時間が短いため、窓辺の明るいところに置くのはスイカぺぺにとってはいい環境です。しかし夜は急激に冷え込むので、夜間は窓辺から離した場所におきましょう。
スイカペペは耐陰性があるので、週に1回ほど日光浴させれば、窓辺で管理しなくてもリビングなどの明るい環境で育てても問題ありません。
■起こりやすいトラブル
スイカペペだけでなく、観葉植物全般に起こりやすいトラブルですので、ぜひご覧ください。
□葉焼け
葉焼けの症状は以下の通りです
- 葉っぱが黄色または白っぽく色が抜けている
- 茶色く焼けたように変色している
スイカペペは葉焼けしやすいので、直射日光は厳禁です。 窓辺ならレースのカーテンで遮光、外の管理ならすだれなどで遮光してください。
また、葉焼けした葉っぱは元に戻りませんので、焼けた部分をカットするか、葉っぱを切り落として、新しい葉が出るのを待ちましょう。
□根腐れ
根腐れは、植物を枯らしてしまう原因の筆頭です。以下のような症状があれば根腐れを疑ってください。
- 葉が落ちやすくなった
- 葉が黄色く変色してきた
- 水をあげても元気にならない
- 土がなかなか乾かなくなった
- 幹が柔らかい
- 土から腐ったような匂いがする
根腐れの主な原因としては、水やりのしすぎ、受け皿に溜まった水の放置です。
⚫︎対策
- 新しい土に植え替える
- 変色して腐った根を切り取ってから植え替える
- 植え替えて2~3日後に水やり再開する
- 植え替え後1週間は日陰で養生する
- 養生中は葉水で水分を与える
⚫︎注意
根腐れ中は、元気がないからと言って肥料を絶対に与えないでください。さらに弱らせることにつながります。
□根詰まり
根詰まりとは、植木鉢の中が根でいっぱいになることです。わかりやすい症状としては以下の通りです。
- 水が土に浸透しにくい
- 鉢底から根っこが出ている
- 鉢にヒビが入っている
根詰まりを起こすと成長が止まってしまい、土に含まれる栄養分が尽きてしまいます。
⚫︎対策
基本的な対策は、春から夏にかけての成長期にひと回り大きな植木鉢に植え替えてください。
□乾燥
室内は、冷暖房やサーキュレーターの風で乾燥しやすい環境になりやすいです。乾燥した環境でスイカペペを育てると、葉っぱが丸まるなど見栄えが悪くなります。
⚫︎対策
- 冷暖房・サーキュレーターの風を直接当てない
- 霧吹きで葉水をする
- 可能なら加湿器を使う
理想的な湿度は50~60%ですので、湿度計があると便利でしょう。
■発生するかもしれない害虫と対策
スイカペペだけでなく、観葉植物全般に発生するかもしれない代表的な害虫とその対策をご紹介します。
□ハダニ
ハダニとは、観葉植物を育てていると悩まされる代表的な害虫の一つです。葉っぱに細かな白い虫が動いていたら、対策が必要です。
以下のような症状が観葉植物に現れます。放置しておくと大量に発生し、他の植物にも広がって収拾がつかなくなりますので、早急の対処が必要です。
⚫︎症状
- 葉っぱの裏と表に小さな白っぽい虫が動いている
- 葉っぱに蜘蛛の巣のような細かな糸がついている
- 葉っぱに斑点状に色が抜けたような跡がある
- 葉っぱの色が薄くなっている
⚫︎対策
- ベランダなどの濡れていい場所で、植物全体を念入りにシャワーで流す
- 植物用の殺虫剤を散布する
ハダニは水が苦手で、水で溺れさせて殺虫します。ですから、日頃からの葉水はとても重要となります。スイカペペをはじめ観葉植物を育てる際は、霧吹きが必須アイテムとなります。
■まとめ
スイカペペは、乾燥に強く日陰でも育てられるので、観葉植物を初めて育てる方にうってつけの植物だと思います。
またかわいい葉っぱの模様は、インテリア性も高く、部屋のアクセントにもなるでしょう。植木鉢もこだわってみて、ぜひボタニカルライフを楽しんでください。