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□トラディスカンティア・ゼブリナの特徴
トラディスカンティア・ゼブリナは、シルバーがかったラメのように上品な光沢の葉っぱが特徴です。深みのあるグリーンと紫の縦模様が美しく映えます。室内はもちろん、ベランダや軒下でも育てられ、生育が旺盛なので初心者の方にも育てやすい観葉植物です。
またカットした茎は、水に挿しておくと数日で発根することから、とても増やしやすい観葉植物です。成長につれて枝が分岐して伸びていくので、ハンギングして育てても美しいです。
□トラディスカンティア・ゼブリナの育て方
日当たり | (室内)レースカーテン越し (屋外)明るい日陰 |
温度 | 5℃以上 |
耐寒性 | 強い 3℃以上の環境 |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 強い |
水やり | (春〜秋)土の表面が乾いたら (冬)土の表面が白っぽく乾いて2~3日経過したら |
肥料 | 特に必要なし |
剪定 | いつでもOK(バランスが悪くなったタイミングで) |
増やし方 | 挿し木・株分け |
■日当たり・置き場所
日光によく当て育てましょう。葉っぱの美しい色合いが保たれます。耐陰性があるため日陰でも育てられますが、葉っぱの色や模様が薄くなってしまう上に、間伸びして成長してしまいます。
置き場所は、窓辺や明るいリビング、外でも育てられます。しかし、夏の直射日光は避けましょう。年間を通して室内ならば、レースカーテン越しの置き場所がいいでしょう。外では、ベランダや軒下の明るい日陰が好ましいです。
■育成温度
生育環境が5℃を下回らなければ、室内でも外でも育てることができます。ただし、霜に当たるとやはり枯れてしまいます。そして風がある日は、気温が5℃あったとしても、植物の体感気温が下がるため、風のある寒い季節は室内で育てましょう。
■耐寒性
トラディスカンティア・ゼブリナは、耐寒性に優れた部類の観葉植物です。上記で説明したように、気温が5℃までなら耐えられます。水やりを控えれば、3℃まで耐えられるようです。
■耐暑性
トラディスカンティア・ゼブリナは、夏の暑さにも強いです。しかし蒸れると弱ってしまう上に、害虫も発生しやすくなります。暑さに強くても風通しは確保しましょう。
■水やりの頻度
春から秋は、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりしましょう。トラディスカンティア・ゼブリナは、土の乾燥を好むため常に湿った土で育てると、茎が間延びして見栄えが悪くなるほか、根腐れしやすい環境にもなるので要注意です。
冬は、土の表面が白っぽく乾いて2~3日経過したら水やりしましょう。冬は活動が鈍るので、水はなるべく控えましょう。土の表面が白っぽく乾き、植木鉢を持って軽いなと感じたら、たっぷりと水をあげます。
⚫︎葉水
土の乾燥には強いトラディスカンティア・ゼブリナですが、空気中の湿度は大好きです。夏場なら朝夕、冬場なら午前中の暖かい時間に霧吹きをしてあげると、元気に育ちますし、ハダニの予防につながり一石二鳥です。
■肥料
トラディスカンティア・ゼブリナは、肥料がなくても育ちます。しかし大きく育てたい場合は、春から秋の生育期に緩効性肥料を与えましょう。
また液体肥料の場合は、1週間から2週間に1回のペースで水に混ぜて与えてください。肥料やけの可能性があるので用法・濃度を必ず守ってください。
■剪定時期・方法
基本的にはいつ剪定しても問題はありません。ただし、茎が伸びてバランスが悪くなっている。枯れている箇所がある。混み合って風通しが悪くなっている時に剪定してください。
■おすすめの増やし方
実際に育てていて簡単だった方法は、水差ししてから挿し木するという方法です。以下の手順で行います。
⚫︎手順
- 剪定した茎を葉っぱ2~3枚残して、3節くらいのところでカットする
- 1か月ほど水に挿しておく(3日に1回は水を入れ替える)
- 十分に発根したら土に植え、たっぷり水をやる
- 明るい日陰で管理する
新芽が出てきたら成功となります。明るい場所に移動させましょう。
□冬越しさせるには
■水やりは控えめに
冬は休眠に入り、水分を吸収しません。その為、春から秋の生育期と同じ頻度で水やりをしてしまうと、たとえ土表面は乾いていたとしても、鉢の中は常に湿った状態となり根腐れの危険性が増します。
それだけでなく土の水分が夜間に冷え、根っこに大きなストレスをかけてしまうことになります。鉢を持ち上げたり傾けて軽くなっている時に水やりしましょう。しかし空気中の乾燥は葉っぱに良くないので、葉水で保湿しましょう。
■5℃以上の明るい室内で管理
一番寒い季節は、5℃以上が保たれた室内でしたら冬を越すことができます。冬の日照時間は短いため、できるだけ明るい場所に置いてあげると間延びもせずに美しい葉っぱを維持できます。
■夜間の窓辺には置かない
日中は暖かい窓辺でも、夜間は急激に冷え込み5℃を下回ることも考えられます。この寒暖差に植物はダメージを受けます。日中は窓辺に置いていたとしても、夜間は窓から離した場所に移動させましょう。
□起こりやすいトラブル
■葉焼け
葉焼けの症状は以下の通りです。
- 葉っぱが黄色または白っぽく色が抜けている
- 茶色く焼けたように変色している
トラディスカンティア・ゼブリナは基本的に日光が好きですが、特に夏の直射日光は葉焼けの危険があります。窓辺ならレースのカーテンで遮光する、外の管理なら、すだれなどで遮光する方が無難でしょう。
また、葉焼けした葉っぱは元に戻りませんので、焼けた部分をカットするか、葉っぱを切り落として、新しい葉っぱが出るのを待ちましょう。
■根腐れ
以下のような症状があれば根腐れを疑ってください。
- 葉っぱが落ちやすくなった
- 葉っぱが黄色く変色してきた
- 水やりをしても元気にならない
- 土がなかなか乾かなくなった
- 幹が柔らかい
- 土から腐ったような匂いがする
主な原因としては、水のあげすぎや皿に溜まった水の放置です。皿に溜まった水は必ず捨てましょう。
⚫︎対策
根腐れを起こしてしまったら、以下の手順で対策してください。
- 新しい土に植え替える
- 植え替える時、黒っぽく変色して腐った根っこをカットする
- 植え替え後、土に少し水を与えてから葉水をして風通しの良い日陰で1~2週間休ませる
一番の注意は、根腐れをしたら決して肥料を与えないでください。根腐れした根っこを休ませることを第一に考えましょう。
■根詰まり
根詰まりとは、植木鉢の中が根っこでいっぱいになることです。わかりやすい症状としては以下の通りです。
- 水が土に浸透しにくい
- 鉢底から根っこが飛び出している
- 鉢にヒビが入っている
根詰まりを起こすと成長が止まってしまい、土に含まれる栄養分が尽きてしまいます。
⚫︎対策
- 春から秋にかけての成長期の時に、根っこをほぐして一回り大きな植木鉢に植え替えてください
■乾燥
トラディスカンティア・ゼブリナは、乾燥には強いですが、冷暖房やサーキュレーターの風にさらされると、葉っぱの色が変色し部分的に枯れていきます。
⚫︎対策
- 冷暖房・サーキュレーターの風を直接当てない
- 葉水をする
- 冬場は加湿器を使う(可能なら)
観葉植物にとっての理想的な湿度は50~60%ですので、湿度計があると便利でしょう。
□発生するかもしれない害虫と対策
トラディスカンティア・ゼブリナだけでなく、観葉植物全般に発生するかもしれないハダニ・アブラムシ・カイガラムシの対策をご紹介します。
■ハダニ
ハダニとは、観葉植物を育てていると悩まされる代表的な害虫の一つです。葉っぱに、細かな白い虫が動いていたら対策しましょう。ハダニを放置しておくと大量に発生し、他の植物にも広がって収拾がつかなくなりますので、早急の対処が必要です。
⚫︎症状
- 葉っぱの裏に小さな白い虫が動いている
- 葉っぱにくもの巣のような細かい糸がついている
- 葉っぱに斑点状に色が抜けたようなあとがある
- 葉っぱの色が薄くなっている
⚫︎対策
- シャワーで植物全体を洗い流す
- 植物用の殺虫剤を散布する
ハダニは水が苦手で、霧吹きの水で溺れさせて殺虫します。ですから、日頃からの葉水はとても重要となります。観葉植物を育てる際は、霧吹きが必須アイテムです。
■アブラムシ
大きさが約2~4mmの緑や黄、黒色などの虫で、植物の新芽やつぼみに群生し植物の栄養分を吸い生育を阻害します。またこの時、ウイルスに感染したアブラムシがいると植物に移り病気になることがあります。
さらにアブラムシが出す甘い排泄物につられて、アリも寄ってきてしまうので非常に厄介です。
⚫︎対策
- 粘着力の弱いテープで引っ付けてとる
- 歯ブラシでこすり落とす
- てんとう虫を捕まえてアブラムシを食べてもらう
- 木酢液を散布する
■カイガラムシ
大きさが2~10mmほどで、植物に寄生して樹液を吸って成長し、植物を枯らしてしまいます。さらにすす病などの病気も誘発させ、排泄物に含まれる糖分にアブラムシやアリまでも寄ってきてしまう厄介なムシです。
⚫︎症状
- 植物に白くベタベタしたものがついている
- アリをよく見かけるようになった
- 新芽が出てこない
⚫︎対策
成虫は硬い殻に覆われているため、薬剤が効きにくいです。そのため、歯ブラシなどでこすり落とすのが有効です。
成虫になる前の対策も重要で、土に混ぜるタイプのオルトランなどの殺虫剤で予防し、スプレータイプの殺虫剤も準備しておくと、発生した際にすぐに対処できます。
□まとめ
トラディスカンティア・ゼブリナの魅力は、美しい見た目で育てやすいという点です。園芸店だけでなくホームセンター、フリマサイトでも安く手に入れ、手軽にゲットできます。
また剪定した茎を葉っぱを残して水に挿しておくと、1週間以内に発根してすぐに増やせるという面白さもあります。
シルバーがかった緑と紫のおしゃれな葉っぱのコントラストは、インテリア性が高くさまざまな雰囲気の部屋に調和してくれます。インテリアの観点からもボタニカルライフを楽しんでみませんか。